結論「フランスでは治療費用400〜600万円は必要」

先に結論を書いておきたいと思います。

のむてつ所長のむてつ所長

フランスでは「疾病治療費用」「傷害治療費用」の補償額は、最低400万〜600万円欲しいです。あと注意したいのは、医療費が高額になる医療搬送が必要となったとき(フランス⇒日本は約320万円)。重病時に医療搬送を必要とするかどうかで、必要な「救援者費用」の額が変わります。(下で詳しく説明します)。

このページの目的

海外旅行保険は、本当に1年で20万円以上もする「保険金支無制限」のものが必要なのでしょうか?短期の保険なら、本当に、クレジットカード付帯の保険だけでは不足するのでしょうか?

このページでは、フランスの医療費の価格を実際に見て、海外旅行保険をどれくらい掛けておく必要があるか、クレジットカード付帯保険で対応可能なのか、それとも不足するのか、などについて検証します。

※東京海上日動やAIU、JI(ジェイアイ)傷害火災、HS損保などの保険会社が公表しているデータから、できるだけ客観的に見ていきたいと思います。(記事下に、すべての出典リンクを掲載)

まず大前提として

海外旅行保険を考えるときに、まず大前提として2点、頭に入れておいてください。

海外旅行保険の額を考えるときの大前提2つ

  1. 一番使う確率が高いのは「治療費用」。この額をメインに考えるべき。
  2. 高額医療費の原因のほとんどが医療搬送。なので「救援者費用」の額も重要

クレジットカードの宣伝でよくある「最大補償額●千万円!」というのは、実は利用確率の低い死亡補償の額だったりします。最大補償額が大きくても、あまり意味がありません。保険額を決めるのに重要なのは、「治療費用」と「救援者費用」です。覚えておいてくださいね。

判断基準

治療費用に関して↓

フランスで盲腸手術:約100万円

  • 日本の約1.5倍の医療費(日本の10割負担額と比較)
  • 集中治療室(ICU/CCU)の額: 26万円/日(*4*5)⇒20日間520万円
  • 病院の1日の部屋代: 私立病院の個室14万円/日、公立病院相部屋8万円/日(*4*5)⇒20日間280万円

救援者費用に関して↓

医療搬送イメージ

  • 日本への医療搬送(定期便): 約323万円(*4*5)
  • 日本への医療搬送(チャーター便): 約2130万円(*8)
    ↑ヨーロッパからはチャーター便はほとんど使われていない

フランスの医療費の価格&実際の事例

盲腸(虫垂炎)手術費用は総額約100万円

盲腸手術の費用データ(パリ)

・48万円(手術代のみ。公立病院、2013年*4)
・59万円(手術代のみ。私立病院、2013年*4)
・21万円〜(手術代のみ。公立病院、2009年*5)
・47〜66万円(手術代のみ。私立病院、2009年*5)
・113万円(病室代/看護費用/技術料など総費用。2008年*6)
・109万円(病室代/看護費用/技術料など総費用。2008年*2)

のむてつ所長のむてつ所長

ちなみに日本の医療費は↓こんな感じ。
●盲腸手術:総額約60万円
●個室入院:一日3〜10万円
●ICU入院:一日8〜10万円
(出典2008年*2)

入院時の部屋代は個室1日14万円

病院の部屋代(1日あたり)
・公立病院の一般病棟 8万円(パリ、2013年*4)
・私立病院の個室 14万円(パリ、2013年*4)
・私立病院の個室 10万円(パリ、2009年*5)

 ※薬代、X線代、検査費は含まず

集中治療室(ICU/CCU)は、最高1日29万円

集中治療室(ICU/CCU)の費用データ(1日の価格)
・26万円(パリ、公立病院、2013年*4)
・26万円(パリ、私立病院、2013年*4)
・29万円(パリ、2008年*2)

重大な事故に遭ったときなどは、↑この額が、毎日かかることになります。

その他の治療費用のデータと事例(300万円以下)

軽い治療に対しても、高額な医療費が必要です。少し医者に診てもらうだけで、数万円かかると覚えておきましょう。

外来初診料(パリ、2008年*2) 1~2万円
救急車の料金(パリ、2008年*2) 約6〜7千円
+200円/km
(公営/民営ともに)
入院保証金(パリ、2013年*4) 公立は不要。私立は病院による
アキレス腱断裂の手術費用(パリ、2013年*4) 公立病院
80万円
私立病院
98万円
骨折手術費(橈骨末端閉鎖性骨折)(パリ、2008年*2) 4万円
石畳で転倒、手首骨折。帰国後も通院費も含めて(年不明*7) 65万円
全身に湿疹が出て現地にて受診(年不明*7) 7万円
旅の疲れと慣れない食事による、じんましん(年不明*7) 6万円

↑以上の事例は300万円未満のもの。

ネット上にあった体験談も、参考に載せておきます。

先日逆流性食道炎になって、一般医のところに行ってきた。フランスでは、先生に全額支払い、一部はセイキュリティソシアル(国民健康保険)が払い戻してくれて、残りはミチュエル(相互保険?)が払い戻してくれる。この先生のところで「33ユーロ」と言われて払った。旦那がこの前行ったとき、23ユーロだったらしい・・・

診察してもらうだけで1万円弱

フランスはアメリカと同じような感じで一般外来は無く、緊急外来に行くか自分のかかりつけ医師の病院が空いてる時間に予約をとって行くか、の二択です。普通の外来というものが無いので高熱だろうが切り傷だろうが今すぐ診てもらいたい、手当てしてもらいたい時には緊急外来に行きます。もちろん割高です。
…(省略)…
フランス人の知人に聞いたところ、「かかりつけ医師がいないし急ぎで診てもらいたいならSOS Medecinsだよ」ということで、この機関(会社?)に電話しました。これは家に往診に来てもらえるサービスで、病院で何時間も待つこともないし(緊急外来ではえらい待たされる)、家まで来てくれるからすごく便利、ということで利用しました。ただ最大の難点はフランス語が出来ないと大変、ということです。。。。
…(省略)…
医師到着。(省略)…診察器で音を聞いて喉の腫れをみて(これすべて立ったままの行為。私の部屋なのに椅子に座らせてさえもらえない)…..終了!!!とりあえず症状からインフルエンザだと断定されて「こんな薬買いなさい、じゃあ85ユーロね」と、それで終わりにされそうになったので慌てて「診断書とあれとこれと。。。必要なんです」と海外保険会社からお金をもらうのに必要な書類の発行等を頼む。そうすると全て手書きで書かれた紙をよこされて「これで終わりだよ。じゃあ。」と、ものの5分もいないで帰って行きましたた。それで85ユーロ。1万弱だよ。。。いい商売ですね。。。

公立病院でも入院費は1泊30万円。。。

安いはずの公立病院の入院費なのに、1泊1000ユーロ(約11万円)と書かれた病室の貼紙をみてびびったけれど、サルコジご自慢の健康保険(セキュリティソシアル)が公立病院での入院費は8割払い戻す(通常医療費は7割払い戻し)って書いてたから、4日間の入院費は、だいたい800ユーロ(約9万円)かな??と思っていたら・・・・

今日来た請求書によると、入院1泊2560ユーロ(約30万円)プラス治療費やらで、総額11万ユーロ(約120万円!!!??サルコジご自慢の健康保険が払い戻してくれても、残り約24万円!!

高額な事例(医療搬送を含まないもの)

状況(年度、出典) 入院日数 保険金支払額
生理の症状が長引き受診。子宮内膜にポリープ。日帰り入院・手術。(2006年*1) 0日 609万円
高熱と発疹で受診。マクロファージ活性化症候群。家族を呼び寄せ(2012年*1) 12日 549万円
台にぶつかり人工関節を脱臼。また入院中に膀胱炎。手術。家族を呼び寄せ(2012年*1) 16日 548万円
右半身が痺れ受診。脳内出血。家族を呼び寄せ(2009年*1) 10日 476万円
嘔吐・腹痛を訴え受診。腹膜炎。手術。家族を呼び寄せ(2010年*1) 7日 450万円
階段で転倒、頭部を打撲。硬膜下血腫。家族を呼び寄せ(2008年*1) 7日 410万円
足のもつれと手の痺れを訴え受診。脳内出血。手術。家族を呼び寄せ(2006年*1) 10日 394万円
人ごみに足を取られ顔から転倒。鼻・前歯・橈骨の骨折。手術。家族を呼び寄せ(2009年*1) 8日 379万円
腹痛で受診。腸閉塞。手術。家族を呼び寄せ(2009年*1) 9日 358万円
転倒し足を強打。大腿骨頸部骨折。手術。家族を呼び寄せ(2013年*1) 9日 344万円
観光中、石につまずき足を痛める。かかと骨折・靭帯損傷。手術。家族を呼び寄せ(2006年*1) 9日 344万円
腹痛が続き、バスから降りた直後に嘔吐。大腿ヘルニア。手術。家族を呼び寄せ(2013年*1) 7日 331万円
スリを追走、階段を飛び降り足を強打。かかとの骨折。看護師が付き添い帰国後、62日間入院・手術。(2007年*1) 62日
(日本)
315万円
胸と肺に息苦しさを訴え受診。狭心症。家族を呼び寄せ(2016年*1) 4日 314万円

以上のデータを見て、フランスで治療費用は最低400万円、600万円あると、まあ安心、だとわかります。

↓次に、さらに高額となる医療搬送が必要になったときの費用を見てみましょう。

フランスから日本へ移送費&実際の事例

医療搬送チャーター機イメージ

チャーター機での医療搬送は、1時間につき約80万円かかる*8

↓飛行機での医療搬送は、定期便か、チャーター便かで、かなり価格が変わります。

定期便利用の場合

合計 約323万円
(2013年*4)
・付き添い医師1名、看護師1名
・座席を6~10席確保し、ストレッチャー利用
・定期便のメリットは、安いこと。
・デメリットは断られることもあること(感染症の疑いや、繁忙期など)

チャーター便利用の場合

合計 約2,130万円
・チャーター費用 約1,970万円(2011年*8)
・その他費用 約160万円
(その他費用の内訳)付添い医師1日20~40万円、付添い看護師1日約10万円、医療機材4万円、現地病院〜空港の車移送3~5万円、宿泊費用(遠路の場合)1人1泊1.5万円(以上、2009年*5)、成田空港〜都内病院の車移送 10~25万円(2013年*9)

・チャーター便のメリットは断られないこと。デメリットは高額であること。

ただし、各国の全データから見て「ヨーロッパからの医療搬送で、チャーター便はほとんど使われていない」ことがわかるので、ヨーロッパからの医療搬送は定期便で考えてよいのではないか、と私は思います。

フランスから日本への医療搬送の事例

状況(年度、出典) 入院日数 保険金支払額
病気 嘔吐が続き受診。腸閉塞。手術。家族を呼び寄せ。医師と医療搬送(2011年*1) 44日 1547万円
病気 観光中に半身麻痺となり救急車で搬送。脳梗塞。家族を呼び寄せ。医師・看護師と医療搬送(2012年*1) 24日 1174万円
病気 セーヌ川の観光時に脈が乱れ受診。静脈炎。家族を呼び寄せ。医師・看護師と医療搬送(2012年*1) 10日 1094万円
事故 車に轢かれ救急車で搬送。頭部外傷・肋骨他骨折。家族を呼び寄せ。医師と医療搬送(2012年*1) 10日 943万円
事故 階段で転倒。大腿骨頸部骨折。手術。家族を呼び寄せ。看護師と医療搬送(2007年*1) 14日 829万円
事故 モンサンミッシェル観光中、テラスより落下、救急車で搬送。大腿骨骨折。手術。看護師と医療搬送(2012年*1) 19日 743万円
事故 美術館を見学中に転倒。大腿骨転子部骨折。手術。家族を呼び寄せ。看護師と医療搬送(2016年*1) 20日 707万円
事故 ホテル玄関で滑って転倒し救急車で搬送。胸椎骨折。手術。家族を呼び寄せ。医師と医療搬送(2014年*1) 20日 676万円
病気 不眠・食欲不振を訴え受診。精神疾患。家族を呼び寄せ。医師・看護師と医療搬送(2006年*1) 12日 645万円
病気 レストランで意識を失う。肺梗塞。家族を呼び寄せ。医師と医療搬送(2008年*1) 19日 636万円
病気 昼食後、気分が悪くなり嘔吐・発汗。心筋梗塞。家族を呼び寄せ。医師と医療搬送(2007年*1) 7日 575万円
病気 吐き気・下痢を訴え受診。脳梗塞。家族を呼び寄せ。看護師と医療搬送(2013年*1) 15日 573万円
病気 気分が悪くなり倒れ、頭を強打。翌朝もめまいが続き受診。ウィルス性内耳炎・硬膜下血腫。家族を呼び寄せ。医師と医療搬送(2013年*1) 13日 561万円
病気 強い腹痛を訴えヘリコプターで病院へ搬送。S字結腸穿孔による腹膜炎。手術。家族を呼び寄せ。看護師と医療搬送(2009年*1) 15日 554万円
病気 嘔吐・腹痛で歩行及び横にもなれない状態になり受診。子宮外妊娠。手術。家族を呼び寄せ。看護師と医療搬送(2014年*1) 8日 541万円
病気 嘔吐・過呼吸を訴え受診。不安神経症。家族を呼び寄せ。医師と医療搬送(2008年*1) 7日 521万円
事故 歩行中、車に撥ねられる。大腿骨の骨折。手術。家族を呼び寄せ。医師と医療搬送(2009年*1) 9日 515万円
事故 店内の階段で転倒し、かかとを強打。開放性脱臼骨折。手術。家族を呼び寄せ。看護師と医療搬送(2008年*1) 7日 491万円
事故 雪で滑り転倒。足首の骨折。手術。家族を呼び寄せ。看護師と医療搬送(2013年*1) 7日 402万円
病気 ツアー中に一時的な記憶喪失となり受診。虚血性障害。家族を呼び寄せ。医師と医療搬送(2013年*1) 9日 383万円
病気 急に胸が苦しくなり救急車で搬送。心筋梗塞。手術。医師と医療搬送(2014年*1) 10日 375万円
病気 到着後から目の痛みが始まり、翌日目が開けられない状態になり救急車で搬送。角膜潰瘍。看護師と医療搬送(2013年*1) 10日 351万円

医療搬送の費用が約320万円だとすると、それを差し引いた医療費の最高額は、約1230万円。これが現在までのフランスの医療費の最高額です。

以上が、医療搬送のデータです。ただし、この医療搬送、利用するかどうかは自分で選べます。「医療搬送は自分には不要」と割り切れば、海外旅行保険の保険料を大幅に節約できます。

医療搬送が必要かどうかの判断=大幅な節約

定期便でさえ約320万もかかる医療搬送。これは必ず必要なものなのでしょうか?

保険代理店に尋ねてみたところ「もちろん医療搬送も、やるかどうかは自分の判断(家族判断)になります」とのこと。では、医療搬送を希望する人というのは、どういう人で、どういう理由で希望するのでしょうか?

医療搬送はシニア層(65歳以上)が多い

ジェイアイ傷害火災が発表しているデータ(出典)によると、こんな事実が判明しています。

  • 300万円超の高額医療事故はシニア層(65歳以上)が約半数である
  • 2014年度 高額医療事故TOP5のうち4件がシニア(9,335万円〜1,888万円)

また、ジェイアイ傷害火災とエイチ・エス損保が公開している合計500件以上の事故事例(*1*7)を一つ一つ調査したところ、↓このような事実もわかってきました。

  • 1000万円超の高額医療事故73件のうち61件(84%)が医療搬送。
  • 医療搬送を病気に限定すると、脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞など、シニアに起こりやすい病気が多い。

このように見ていくと、シニア層(65歳以上)であるかどうかによって、医療搬送の可能性は、かなり違うことがわかると思います。65歳未満の場合は、医療搬送の可能性は、かなり低いと言えると思います。

また、逆の面から見ると、医療搬送は本人(家族)の希望で行うものであることから、「シニア層が医療搬送を希望することが多い」とも言えます。

医療搬送では、チャーター便が特に高額なので、「チャーター便は利用しない」と決めるだけでも、必要な補償額は、かなり減ります(=保険料の節約になります)。

医療搬送を希望する人は、どういう理由で希望するのか?

本人(もしくは家族)の希望で行う医療搬送。日本への医療搬送を希望する理由は、どういうものなのでしょうか?調べてみたところ、3つの理由に集約できました。

日本への医療搬送を希望する人の3つの理由
1. コミュニケーションの不安
2. 現地の医療水準が不安
3. 金銭的な不安

↑これら3つの不安をクリアできるなら、保険料の節約のために「医療搬送は不要」と割りきってよいことになりますね。

「医療搬送は不要」と割りきったとき、どうすべきか

では、今度は、重要な、「高額な医療搬送を断るなら、どう対応したらいいか」という問題を考えてみましょう。上記の3つの不安それぞれに対して考えてみます。

1. 「コミュニケーションの不安」への対策

これに関しては、日本の海外旅行保険は通訳費用も負担してくれるので安心です。通訳がいれば、最低限の意思疎通は問題ないでしょう。日本と同レベルの「かゆいところに手が届く」ほどのサービスは望めないかもしれませんが、それは仕方ないと割り切るしかないでしょう。

2. 「現地の医療水準が不安」への対策

ここ最近、日本以外の国の医療水準は、急速に上がってきています。さらに言えば、ほとんどの国に、外国人や富裕層向けの、高額だが医療水準の高い「ビジネス病院」があるものです。海外旅行保険に加入している日本人旅行者は、ほとんど、こういう病院を利用することになります。ですので、現地の医療水準を、国全体や、その地域全体で考えてはいけません。

とは言っても、フランスは国全体からしても医療水準は高いです。外務省の海外安全ホームページにも、↓このように書かれています。

フランスの衛生事情は概して良好な状態を維持しており,医療水準は日本や他の欧米諸国とならび世界的にもトップレベルです。…(省略)…診察料,検査代,薬代など治療費は非常な高額になる可能性があります

バンコクの医療関係者の方で、医療搬送にも携わり、医療搬送の難しさと高額さをよく知っている方が、ブログ(2013年の記事)中で、↓こう書かれています。

そろそろ海外で罹災した日本人患者は何でもかんでも日本の医療機関だけを妄信するのはやめたほうがいいのでは?と言わせていただきます。韓国、バンコク、シンガポール、マレーシアのビジネス病院のレベルは、日本の総合病院と医療レベルにおいて遜色はなくなっていますし、サービスレベルで行くと日本よりもはや上になっています。…(省略)…従いまして、もし海外で不幸にも病気や怪我をした場合は、現地でも十分対忚できる医療機関があるかもしれないことを考て、そこからどこでどのように治療計画を立てるか柔軟に対忚するのが肝要かと思います。

ですので、フランスなら、医療搬送ではなく、現地で治療を続けるという選択肢も十分にアリだと、私は考えます。

3. 「金銭的な不安」への対策

金銭的な不安というのは、具体的には、例えば、「集中治療室(ICU/CCU)の費用が一日数十万円かかるので支払いが大変。医療搬送の費用を払ってでも、早く保険の利く日本で治療を受けたい」というような場合です。

フランスの場合も、集中治療室(ICU/CCU)の費用が1日約20万円かかるので、安くはないですね。

これに対しては、また先程のバンコクの医療関係者の方のブログが参考になります。

日本以外の多くの国では、医療機関ごとに医療レベルの差、病院費用の差が存在しますので、患者や家族がどのレベルの病院で治療を受けるかという選択をしなければならなくなることがあります。

つまり、簡単に言えば、「病院のレベルを下げれば医療費も下げられる」ということです。高級ホテルのような病院をやめて、地元の人も利用するような普通の病院を利用するだけで、かなりの節約になるはずです。

ですので、保険会社に病院を手配してもらうときには、少し遠くても、医療費が比較的安い地区の病院をお願いする、というのも、一つの方法でしょう。

例えば、医療費の高いスイスでは、ドイツまで治療に行く人もいます。フランス国内でも、自分が滞在する地区に近いところで、どこの病院が医療費が安いのかを調査しておくことも、自衛手段の一つとして大切です。

節約方法のまとめとしては、2つの選択肢、つまり「医療搬送をお願いして日本で治療」を選ぶか、それとも「医療搬送せずに、現地で病院のレベルを下げて治療続行」を選ぶか、よく考えて選択する、ということですね。

以上、3つの対策でした。

上の3つの対策を読んで、自分もできそうなら、「医療搬送必要なし」と割り切ることができるでしょう。無理そうなら、医療搬送になった場合も計算に入れて「救援者費用」の項目を多めに準備するようにしてください。

まとめ

フランスへ行くときの海外旅行保険は、

  • 治療費用は、最低400万円。600万円でまずまず安心です。
  • 救援者費用は、医療搬送不要なら200万円。医療搬送が必要なら450万円に。

救援者費用に関して

医療搬送が不要の場合、救援者費用は200万円でいいでしょう。200万円あれば家族が日本から駆けつける費用分を支払えるからです。200万円という数字なら、年会費無料クレジットカード1枚でカバーできる額です。

ただし、医療搬送を必要と考えた場合は、救援者費用は450万円は必要です。450万円でしたら、保険付帯カード2,3枚でカバーできます。

治療費用に関して

治療費用400万円という数字は、クレジットカード付帯保険でカバーするとなると、カード2枚で足りる額です(治療費用補償など死亡補償以外は、カードを複数持っていると、限度額が上乗せされます)。さすがに、この額だと、ゴールドカードでも1枚ではカバーできないことが多いので、やはり、保険付帯カードが2枚は必要になります。(参考:ゴールドカード比較表)。

3ヶ月以上の滞在の場合は、この治療費用の額を確保しようと思うと、カード付帯保険だけでは少し厳しいです。カード付帯保険で3ヶ月以上をカバーさせたい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。⇒90日以上の長期海外旅行保険もクレジットカードで[利用付帯裏技]

半年以上の滞在の場合は、有料保険を使うべきです。有料保険の節約方法は、こちらで紹介しています。⇒半年〜1年など長期海外旅行保険の節約方法3つ

参考にさせていただいた文献リスト

保険会社の皆様、貴重なデータの公表、ありがとうございました!
*1 ジェイアイ傷害火災HP 海外での事故例(2002~2016年)
*2 ジェイアイ傷害火災HP 海外の医療事情(2008年のデータ)
*3 ジェイアイ傷害火災HP 海外の医療事情(2004年のデータ)
*4 東京海上日動 世界の医療と安全2014年
*5 東京海上日動 世界の医療と安全2010年
*6 AIU 海外での盲腸手術の総費用2008年(AIU海外留学保険総合案内サイト)
*7 エイチ・エス損保 旅行先でのトラブル事例
*8 チャーター機の料金は、アークEFI航空情報センター 航空機チャーター事業部(参考料金一覧)を参考に「1時間80万円×2(往復)×日本までの飛行時間(google mapより)」で計算。
*9 ④搬送費用 先端医療情報サイト ハロードクター
*10 外務省 在外公館医務官情報 アメリカ合衆国(ニューヨーク) 4.衛生・医療事情一般

以下、参考にしたデータ・情報

現在の為替レート:1ユーロ=failed円 (←googleからの自動取得値)

2013年 1ユーロ127〜139円
2009年9月7日 1ユーロ=約133円
2008年2月 1ユーロ=約155〜161円
2004年3月 1ユーロ=約132円